読書案内 「グリーン資本主義」 佐和隆光 著(岩波新書 ¥700)

1 佐和先生の本はこれまでも紹介したと思います。

この本は温暖化対策の政策をとると経済成長が下がるという意見に、そうではなくて、

これこそが産業革命になり、かえって「グリーン資本主義」の時代が到来するということを書いたものです。

佐和先生の本は何故か私と波長が合うので思わず納得してしまいますね。

 

2 20世紀の三大発明は、自動車、テレビ、携帯電話の3つであると言われます(9頁)。

100グラムの携帯電話が辞書、テレビ、パソコン、時計、カメラ、GPS、手帳を代替しています。

携帯電話の普及のために景気が停滞しているのではないかと疑いたくなると言われます

(つまり、多機能化したため他のものは買う必要がなくなったから)。そうかと思う次第です。

 

3 20世紀は、経済発展の世紀でした。

1901年と比べると1901年は2007年と比べるとそのエネルギー消費量の5.1%に過ぎないです。

技術革新が相次ぎ、最後の10年間にパソコンなどのデジタルが登場しました。

技術革新の時代でもありました。技術革新ができたのは人類が石油と電力を手に入れたことです(37頁)。

そのことは、二酸化炭素(CO2)排出の時代でもありました。

石油の枯渇が近い将来にあれば石油は値上りし、それが「石油の世紀」との決別になります(40頁以下)。

 

4 次に世界の二酸化炭素排出量は2009年版のEDMCの統計によると2006年は

約273億トンとのことです(69頁)。

その21.1%がアメリカ、20.6%が中国で、日本はロシア5.7%インド4.6%の次で

なんと4.5%です。アメリカの一人当たりの排出量は半分弱です。

しかし、EU諸国よりも多いです。アメリカは政権交代したので、京都議定書に参加するといわれています。

やはり、中国が京都議定書に参加しなければと思う次第です。

 

5 民主党の歴史的圧勝(=自民党の大敗)の原因について佐和先生は次のことだといわれます(98頁以下)

 ① 自民党には二世代議士がひしめいていたこと。若手官僚が政治家に転身できなくなっています。

そこで民主党に行っています(民主党は官庁、日銀出身者が10%もいる)。政策立案能力でリードしています。

 ② 非正規社員が増え、雇用不安と所得格差の拡大があったこと。

労働市場が非流動であるまま派遣法を改正したのは小泉政権の失敗です。

 ③ 自民党、日経連、経済官庁のトライヤングル構造にいい加減にしてくれという怒りが上ったこと。

巨額を自民党に献金し、官僚に天下り先をあっせんする日本経団連が頂上に立ちました。全くその通りですね。

 

6 今回の世界同時不況は、20世紀型産業文明の終焉を、そして21世紀型文明の幕開けを

告げます(131頁)。

つまり、石油依存社会から新しい社会、つまり「グリーン資本主義」の時代が到来するといわれます。

それが何かは本を読んで下さい。なるほどと思いますよ。

  mae

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