読書案内 「リーダーは半歩前を歩け―金大中というヒント」 姜尚中 著(集英社新書 ¥700)

1 なぜ今「リーダーシップ論」が再燃してきたのか?

極度な情報化のせいで個人化があまりに進みすぎて、多くの人がどうしていいか分からなくなって

きたからであるといわれる(28頁)。

自由でいるのが苦しくなってきて、「支配」を求める心境になってきている(同頁)。

小泉現象のように、散々持ち上げておいて、急に引きずりおろす。ヒートアップして、クールダウンする。

これが現代日本の最も大きな問題であるといわれる(31頁)。

「リーダー」を求めているのでなく、ただ「スケープゴート」を求めているだけとまでいわれる(33頁)。

しかし、私もそう思いますね。麻生前首相などはその典型ですね。

「いけにえ探し」だといわれる(33頁)。

 

2 金大中氏は韓国の元大統領ですが、同氏は、リーダーは「半歩前」を行く人

でなければいけないといわれる(34頁)。

国民を手を離さず、国民がついて来なければ「半歩」下がって彼らの中に入り、

わかってもらえるまで説得し て同意が得られたら、また「半歩」先を行く。

十歩前を行く人は、今のような知的レベルの高い社会では過激でアブナい人物とみなされる(36頁)。

私もそういう傾向があると思います。

現代はリーダーシップが発揮しにくい社会で共同の目標を達成することが成り立ちにくい(42頁)。

情報化が進んで「個人」が成熟してくると、アイデンティティーが多元化、分散していくからだといわれる。

リーダーは、人々の文脈を読みながら、柔軟にリーダーシップを発揮していくのがベストだと

金大中氏は考えたということです(43頁)。

 

3 次に、私がいつも思っていることが書いてありました。

国家や組織を繁栄させることは大事ですが、数値的な利益追求だけでなく、

人を生かすための繁栄でなければ、意味がないということです(45頁)。

そういうリーダーシップでなければいけないということです。

倍々ゲームは、もういいのです。トントンでいい(58頁)。

 

4 133頁以下に、なぜ、日本の一党政治がかくも長く続いたかが整理されています。

私も全くその通りだと思いますね。その部分は、読んで下さい。

この本は、7つのリーダーパワーについて書いてあります。

政治家にとって大切なものであるといわれます。

私も姜先生のように金大中氏を尊敬している政治家の一人と考えています。

146頁以下に対談部分があります。読んでいてそういう風に考えておられたのかとよく分かりました。

1973年に金大中氏は東京のホテルグランドパレスで拉致された事件がありました。

私はそのホテルに近いところで下宿して大変驚いたことがありましたね。

その後、大統領になられ、すごいなと思ったことはよく覚えています。

  mae

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