読書案内 「どんとこい、貧困!」湯浅 誠 著(理論社 ¥1300)

1 著者はニュースなどで報道された「年越派遣村」の村長で、

ホームレス問題などに活躍している人です。

 

2 うまくいかないのは自分の努力が足りないので社会のせいにしてはいけない。

そういう考え方が日本では強いといわれる(30頁)。その考え方は、宗教に似ている。

一日百回お経を唱えたのにいい結果が出ないのは信仰心が足りないからだと・・・。

そういうのを「がんばり地獄」というらしい。

 

3 日本の教育費について、子供一人を大学まで行かせるためには、全部公立でも3000万円、

全部私立だと6000万円かかる(47頁)。

ヨーロッパでは全部無料という国が沢山ある。そういう国であることを知ることは大切である。

つまりお金のない人は学校に行けないという結論である。それでも、どうやって努力するのでしょうかね。

 

4 高齢者人口は、この20年で2倍になったが、高齢者の犯罪は5倍に増えている。

刑務所に入っている高齢受刑者の7割が5年以内に戻ってくる。外では食べれないのである(124頁)。

変わるのは社会であり排除された人々でないといわれる(191頁)。

小泉政権は構造改革と称して、社会保障を2002年に3000億円削り

その翌年から毎年2200億円を削り続けました(212頁)。

そのため働いても食べていけない人が増えてきました(ワーキングプア)。

年収200万円いかない人が1000万人、貯蓄のない世帯が4分の1もあるのは問題ですね(213頁)。

 

5 この本の270頁以下に重松清氏との対談があります。

この280頁のところにこう書いてあります。荒れる成人式のことです。

「式の中で新成人に向かってされる挨拶自体が欺瞞(ぎまん)なのだ。」式典に招かれた主賓が

「みなさんには無限の可能性があります。」と壇上から言ったとたんに新成人が暴れだした。

「こんなに世の中が閉塞(へいそく)しているのに無限の可能性があるなんて、

どうしてそういう能天気なことをしゃあしゃあと言えるのだ。」

私もそういうところは確かにあると思いますね。

 

6 最後に、人間は平等ではないということは私は真理だと思いますね。

しかし、それは自分をとりまく経済的、社会的状況です。

でも、お金持ちの家に産まれないから、すごく人生のことや人の気持ちが分かることもあり、

人生を人として有意義に生きることができることも真理です。

前の真理と合算すれば平等かもしれませんね。

  mae

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