読書案内 「われわれはどこへ行くのか?」松井 孝典 著(ちくまプリマー新書054 ¥700)

1 この本は、東大教授で専門は惑星物理学の先生が書いた本です。

その内容は地球学的人間論です。

 

2 ホモ・サピエンスは16万年前にアフリカに誕生した人類です。

ネアンデルタール人という人類もいたのですが、3万年前に絶滅しています(12頁)。

ホモ・サピエンスの祖先ではありません。いろんな人類がいたのですが、我々はホモ・サピエンスです。

 

3 地球というのはシステムで構成要素と関係性と駆動力からなっている。

構成要素は、物質・生物・人間で、関係性は、海から水分、上に行って雲、雲から雨、

その雨が大陸地殻を侵食して海へ、浸食により物質が海へ供給(塩)になる。

物質循環はエネルギーの移動で、移動のための駆動力は太陽エネルギーとなります(33頁以下)。

この駆動について人間圏の中にその力をもったのが産業革命で(42頁)、石油、石炭です。

地球という星全体のモノやエネルギーの流れに人類が関わることができるようになった。

これにより、およそ15億人だった人口が60億人になった。

(日本列島も3000万人から1億2000万人になった)

 

4 このモノとエネルギーの移動速度が10万倍になった。

人間圏が1万年なら、それは10億年の生物圏と同じになる。

つまり、10億年も存在しているくらいの、地球の上のモノやエネルギーの流れを

消費していることになる(48頁)。このことが環境問題の根本の問題なのだということです。

 

5 恐ろしいことに、この先生は、このままだと21世紀の半ばにモノとかエネルギーが行き詰まり、

人間圏が破綻するといわれます(66頁)。

ここがかなりすごい主張なのですが、私としてはこの先生の57頁以下の「何のために豊かになるのか」を

読んでもらいたいと思います。

こういう本は、人間とは何なのかを大きなスケールで考えさせてくれますね。

  mae

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