コラム 「藤沢周平の小説」

最近、藤沢周平の小説を読んでいます。

「オール読物」の新人賞をもらった「暝い海」(くらいうみ)を読みました。

内容は70歳になった老絵師の北斎とまだ若い絵師の安藤広重の話です。

 

「北斎の無頼、広重の着実さ。失敗の不安におののく北斎、自信たっぷりの広重。

順風満帆の広重に恐れを抱いた北斎は、やくざ者を引き連れ、広重を襲おうとする。」という話です。

結末はお話ししませんが、自分が北斎型の人間か広重型の人間かを考えてしまいました。

 

弁護士の中にも、この2つの型があります。勿論、私は北斎型だなと思いましたね。

いつも思うのですが、何でそんなに自信たっぷりに、この紙でつくったペラペラな事実というものに

ふんずりかえって裁判をやっていられるのかなと思う広重型の弁護士や検事や裁判官を見ていると、

いつも驚かされますね(よくやっているな…と)。

 

次に「三屋清左門残日緑」という小説の「早春の光」というところに、

「衰えて死がおとずれるそのときは、おのれをそれまで生かしめたすべてのものに感謝をささげて

生を終ればよい。

しかし 死ぬるときまでは、人間はあたえられた命をいとおしみ、力を尽くして生き抜かねばならぬ。」

と書いてあります。

この「残日緑」は52歳になる清左門がつけはじめた日記で隠居となった清左衛門に寂寥感が襲うものだが…。

前記のような気持ちに なった訳です。

  mae  

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