読書案内 「生命保険のカラクリ」岩瀬大輔 著(文書新書 ¥780)

1 以前、生命保険会社を訴える裁判をしたことがあります。

その時に、この本があれば、あんな形式的な判断になることはなかったと思わせるような良い本です。

色々、相談していますと、生命保険に入っている人が多いのに、私は驚かされます。

この月収に、この保険が本当に必要なのかと思えるような高額の保険に入っている人をみると、

大変に驚きますね。

どういう保険にどう加入するのが正しいのかをキチンと教えてくれる本です。

 

2 生命保険文化センター平成21年度の調査によると、生命保険の世帯加入率は90%です(28頁)。

しかし、アメリカは50%、イギリスは36%、ドイツが40%、フランスが59%なので、

日本は断トツですね。

そればかりか生命保険会社(かんぽ生命を含む。)の年間保険料収入は、34兆円だそうです。

これに共済が6兆円加わり、生命保険料総額は40兆円ということですね。

GDPは550兆円なので、その7~8%にあたります。

生命保険がいかに大きいかということです。

国内の自動車販売は11兆円ですので、すごいですね。

 

日本は、世界に類を見ない生保大国です(35頁)。

保険金額も一人あたり、つまり死亡した時の保障額についても、

平均でアメリカは580万円、イギリスが260万円、ドイツが200万円ですが、

日本はなんと1600万円です。突出して大きいですね。

これは、日本人の生保好きではなく、生保会社のこの30年の戦略であるということです(38頁以下)。

つまり、この方が、手数料が多く取れるということだそうです(39頁)。

日本は世界一儲かる生保市場で、約9%の利益率だそうです。

ドイツは3.0%、アメリカ2%、フランス1.7%、イギリス1.0%と比べると、明らかです。

だから、最近、アフラックなどが日本へ進出しているんですね。

 

3 次に、「一時払養老保険」のことですが、これに関して、以前裁判を担当したことがありますね。

これについての「転換セールス」について、詳しく書いてあります。

詳細は言いませんが、やはり、インチキじゃないですかと思った次第です(50頁以下)。

次に不払問題について、59頁以下に書いてあります。

2007年4月13日の中間報告では、不払いが44万件、359億円に上っていることです。

確認できない案件も、192万件残っているとのことです(60頁)。

全くやっていられませんね。

 

4 次に、これも、私はかねてから、おかしいと思っていることでしたが、

民間医療保険なんか必要ないと思っていたんです。

どうしてかというと、「高額療養費制度」があり、どんなに高くても自己負担は上限10万円弱なので、

これを知らない人がいるのかと思います。

同じことが105頁以下に書いてありますね。

日本は、公的保険が大きい国で、その規模は、民間保険よりも大きいです(116頁)。

 

そろそろ、紙面の関係で、これ以上内容を紹介できませんが、最後にこの本の192頁以下に保険に

賢く入るための7カ条が書いてあります。

「保障と貯蓄は分ける」ということが大切ですね。

そういうことが、しっかり書いてあります。

  mae  

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