対談 弁護士と頑固堂 対談 テーマ 「医療崩壊を怒る!~なぜ、こんな医師不足になってしまったか。~」その2

3 政府はなんと言っているのか

(ガ)こういう状況について政府はなんと言っとるんじゃ。

(弁)その点、地域別、診療科目別の偏在が大きな原因だといって、足りているといって

   いますね。また、女性医師が増加しているので、出産と子育てが、その若干の不足の

   原因だといっています。

(ガ)そんなこと、初めからわかっているだろ。どうして対策をしてこなかったんだ。

(弁)私は医師不足の本当の理由は違うと思いますね。

(ガ)なんじゃ。

(弁)病院の従業員の人数の規定である「人員配置標準」だと思います。それに基づいて、

   例えば一般病棟だと入院患者16人当たり医師1人とか決められていますね。これより少

   ないと法律違反になり、診療報酬の減額などのペナルティが科せられます。この規定は、

   昭和23年に作られたものです。

(ガ)だから、一県一医科大とかいって田舎にボカボカ医大をつくっていた頃があったね。

   つくりすぎて、その後定員削減ということになったんだ。

(弁)しかし、人員配置標準というのは最低ラインなので、これを超える医師が出てきても

   問題ないのに、何故か上限基準になってしまって医療政策が行われるようになってしまい、

   今日の医師不足が出てきたんですね。失敗ですね。

(ガ)そういえば、この人員基準のために医師の名義貸しとかいうことが行われてきたとい

   うことがあったな。

(弁)そうです。この問題が起こって地方の病院の経営が苦しくなってきたんです。

   名義貸しができなくなってしまったので、自治体の大半が赤字になっていて、

   2006年度は累積赤字は1兆6000億円にも達していますね。

(ガ)政府は、標準を上限と考えて医学部の定員を減らすという失敗をして、今日の不足

   を招いてしまったということか。

(弁)そうですね。地方の病院は、技術を磨くこともできないし、仕事は忙しいし、給料だっ

   て安い、訴訟リスクもある。こんなところで働こうなんて思いませんよ。

   入院患者は増加してますしね。

(ガ)高齢化社会だからそうじゃろな。

4 国民医療費は

(弁)1年間に日本全体で健康保険で使われるお金は2004年度で、なんと32兆1111億円

   になります。

(ガ)すごいね。

(弁)2005年に日本の医師は約25万7000人です。2025年には65兆円になるということ

   が予想されてますね。つまり、高齢化になってどんどん医療費が増えるということです。

(ガ)そうか。

(弁)外科なんかも3割減ってくるといわれます。患者は3割増加するのにどうするんでしょうか。

   1996年から2005年までの間に、救急車の出動回数は57%も増加してます。

(ガ)どうなるんじゃろ。

(弁)おそらくアメリカのようにお金持ちでない限り良質な医療をうけられないようになるのでは

   と言われていますね。

   また医師の輸入ということも出てくるかもしれません。イギリスではインドへ医療をうけに

   行く人が出てきているといわれています。

(ガ)ブラック・ジャックみたいな人も現れるかな。

(弁)そうかもしれませんね。とにかく病気にならないように気をつける他ないと思うように

   なりました。

(ガ)今のような医療政策が続くと医師不足はもっと拡大するということだなー。ヤレヤレ。

  mae

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