コラム 「父の勲章」

私の父は田舎回りの警官でした。そんな父にも遅ればせながら叙勲のお知らせが来ました。

天皇陛下から勲章をいただくことを希望するかの打診が県警本部からあったそうです。

 

そういえば、私は弁護士会でこの叙勲の事務を担当しておりました。

会長になりますと70歳位で勲章がもらえるということで、その事務を担当していました。

驚いたことに、この勲章を辞退しておられる歴代会長が何人かおられることがわかりました。

私なんか、もらえるものは何でももらっておいたらいいのにとか、自分の葬式のときに写真

の前に額に入れて飾っておけるのにとか色々考えてしまいました。

 

ところが、その辞退の各先生はこれまで国家権力と対立した事件を多く手がけられておられ、

会長仲間のゴルフ会にも参加されず(そもそもゴルフをやられておられない)、

自分なりの考え方で弁護士としての人生を送られている人ばかりでしたね。

 

社会的弱者の立場に立って、人権活動に貢献し、社会的正義の実現に向けてしっかりがんばって

おられる弁護士の先輩がたくさんいることを私は知っています。

決してお金儲けのうまい人でもなく、要領の良い人でもありませんが、

本物の弁護士だなーと思うことがあります。

 

そういうことを考えながら、冒頭の父の話に戻りますが、父は何と叙勲を辞退しました。

天皇陛下様から勲章をもらう程のたいした仕事をしたことがないからかもしれませんが、

そんなことはどうでもいい事なんです。

 

父には、この世に残した立派な勲章があります。

 

それは、「息子の私です。」なんちゃって、といいたいと思いますので、これからの人生、

少しはまともに世のために何かできたらいいかと思っていますね。

   mae

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