コラム 「非常階段には気をつけろ!」

確か、サッカーのワールドカップのようなものが日本と韓国で共同開催された年でした。

私と嫁と赤ん坊だった子供を連れて、嫁の父母とソウルに行きました。

そのホテルがサッカーの大きな中継画面のあるソウル市役所の前の広場に面したところで、

何万人というサッカーファンが集合していました。

えらい所に泊まってしまったなと思っていました。

 

というのは、一晩中歓声が響き渡り、ゆっくり眠ることができなくて、子供は怖がるやら踏んだり

蹴ったりでした。

嫁の父母は、私たちの真下の部屋で、共に非常階段が隣になる端部屋でした。

嫁が子供のミルクを母親に持ってもらっていたので届けてもらおうと階下の部屋に電話しました。

嫁の母は、すぐに持っていくと了解しましたが、30分経っても届きません。

電話をかけたら嫁の父があれからすぐに外に出たというのです。

 
そこですぐに嫁の父に上に来てもらい子供を見てもらって、私と嫁とが嫁の母探しに出ることに

なりました。

私と嫁が階下に降りるために非常階段が近いので、それを使って下に降りることにしました。

そして、非常階段室に入ったらなんと…。ガーン。もう元に戻れなくなったんですね。

つまり、部屋の側からは出られるのですが、非常階段側からはロックされて防犯上、

部屋のある方に進入できなくなっていたのでした。

私と嫁は10階以上ある暗い階段を下に降りて行きました。

そして一階にある非常出口から外に出た訳です。

しかしその出口にもサッカーの人が山のように集っていて、動くことが容易でなく、

それでも何とかホテルに戻れました。部屋に戻っても、やはり嫁の母は戻ってきませんでした。

 

もう1時間以上なっていて、心配になった時にピンボーンと部屋の入口のチャイムが鳴り、

ドアを開けたら、化粧が崩れた嫁の母が、汗びっしょりでドアの前に突っ立っていて、

勿論、手には哺乳瓶を握り締めていました。

 

話しを聞いたら、やはり非常階段に入り込んでしまい、下に降りたら一階の出口にいる多くの

群衆の渦に巻き込まれてしまい、あれよあれよとホテルから離れて行き、やっと命ガラガラ

逃げて来たということでした。

非常階段には注意しなければなりませんね。

  mae  

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