コラム 「若き女性弁護人に捧ぐ」

退廷命令を受けたことがありますか。

そんな荒れる法廷などもあり、この20年余刑事弁護を何件かつつがなく

(そうでもないか?)やってきたものとして少しだけアドバイスさせて下さい。

 

「あなたは被告人から再三呼び出されて、弁護方針を罵倒されてかなりこまって

迷っておられるようですね。」

ここで刑事弁護について、私が考えていることをお話ししたいと思います。

 

刑事弁護は、その被告人のためだけにするものなのでしょうか。

民事事件では個人(依頼者)の利益を中心に代理人として行動することは私的自治の範囲で

許されていると思います。

しかし、刑事弁護は私的自治ではなく、その活動は、単に被告人のためだけでなく、

すべての市民、つまりは将来の被告人となりうる危険にさらされている全ての市民のためであり、

その意味で、公的なものです。

弁護人は被告人のためにだけ存在するものでなく、その意味で被告人の「意思」に拘束されるもの

ではないと思います。

被告人が有罪を認めようと、弁護人が無罪であると考えれば、無罪を主張することについて

これをとめることはできません。その意味で公的立場から弁護しなければならないと考えます。

 

だから、被告人の意思については、無視することはないにしても弁護士として

「真実の発見と人権の保障」の上に立ち迷うことなくその使命を果たせばいいのだと思うのであります。

  mae  

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